VCreはVloxPサイトをSCreはSloxPサイトを認識して部位特異的組み換えを行います。
また、VCreはVloxPの変異型サイトVlox2272、SCreはSloxPの変異型サイトSlox2272、SloxM1も認識します。
VloxPと変異型サイトVlox2272、SloxPと変異型サイトSlox2272はそれぞれ交差反応を起こしません。

VCre認識サイト

SCre認識サイト

CreはバクテリオファージP1由来ですが、VCreはビブリオ菌が持つプラスミドp0908由来(Vibrio sp. 0908, plasmid p0908)で、 SCreはシュワネラ菌が持つプラスミド1由来(Shewanella sp. ANA-3, plasmid 1)です。 つまり、VCreもSCreもCreとは由来となる生物種が異なるものであり、 いずれも、人工的な変異を導入して作製したCreの変異体ではありません。

VCreとCreは２９％の相同性です。 >> 配列アラインメント
SCreとCreは３１％の相同性です。 >> 配列アラインメント
VCreとSreは４０％の相同性です。 >> 配列アラインメント

マウスやヒト細胞で発現させるためにコドンの使用頻度を最適化した遺伝子を販売しています。>> 注文ページ

ヒト細胞（HEK293）、マウスES細胞、大腸菌で使用できることが確認されています。これら以外の生物種でも実験が行われています。

参考文献

ヒト細胞（HEK293）、マウスES細胞 :
Suzuki,E. and Nakayama,M.
VCre/VloxP and SCre/SloxP: new site-specific recombination systems for genome engineering
Nucleic Acids Res. 39(8): e49 (2011)

大腸菌 :
Minorikawa,S. and Nakayama,M.
Recombinase-mediated cassette exchange (RMCE) and BAC engineering via VCre/VloxP and SCre/SloxP systems
BioTechniques 50(4) :235-246 (2011)

現在作製中ですので、少々お待ちください。

どちらでも同様に部位特異的な組み換えを起こすことができます。VCre/VloxPの方が実験例が多いです。

かずさDNA研究所?バイオ産業技術支援センターでは、民間企業の方と共同での事業展開を積極的に行ないたいと考えております。
まずは、下記までお問い合わせください。

A. コンデショナル?ノックアウトとRMCE(組み換え酵素依存的カセット交換法）との組み合わせ実験 （図）

一つの遺伝子の片側の染色体をコンデショナル? ノックアウトに改変して、更にもう一方の染色体をRMCE(組み換え酵素依存的カセット交換法）で変異タンパク質を発現させることが可能です。

B. マルチ部位特異的組み換えシステムを用いた変異導入エクソンの交換実験 （図）

loxP、VloxP、SloxPを並べることで多種類の異なる変異タンパク質を自由に発現させることが可能です。

C. 2種類のプロモーターを用いたデリーターマウスの細胞特異性の改善 （図）

特異的なプロモーターを用いてデリーターマウス（Cre発現マウス）を使用する時に、使用するプロモーター特異性が原因で目的の細胞だけに遺伝子欠損を起こすことが難しい例がありました。新しい組み換えシステムを組み合わせて用いることで、目的の細胞だけでCreをさせる細胞特異性を改善させることが可能となりました。

D. HAC (人工染色体)ベクターやBACベクターシステムの改良 （図）

HAC(人工染色体）ベクターやBACベクターには、長いDNAを保持することが出来るために、多くの可能性があります。しかしながら、長いDNAを含んでいるが故に遺伝子操作を行うことが難しいと考えられています。Cre/loxPだけでなくVCre/VloxPやSCre/SloxPシステムを導入することで、様々な緻密な改変が行える可能性があります。

他にもアイデア次第で複雑で緻密なゲノム改変を行うことができます。

お気軽に下記までお問い合わせください。研究員を交えて対応させていただきます。